心臓超音波検査(心エコー検査)
新神戸きたむら内科 循環器・漢方クリニック院長北村順のブログへようこそ。
当院にはCTやMRIといった大型の検査機器はありませんが、お気に入りの超音波診断装置(エコー機器)があります。
GE社製の Versana active という機械ですが… 大きさも手ごろで、操作も簡単、そしてきれいな画像が撮れます。
ゴリゴリのエコー屋さんには物足りないスペックかもしれませんが、循環器内科の開業医として外来診療中に“今すぐ にエコーを撮りたい!”というニーズにはピッタリです。
心エコー検査でわかることを挙げていくとキリがありませんが…
<弁膜症の有無や程度評価>
『健診で心雑音を指摘された』という方が対象になりますね。
<心臓の収縮機能・拡張機能の評価>
心臓がしっかり動いているか(収縮機能)、血液を溜めておく器としてのしなやかさを保てているか(拡張機能)を評価します。心臓は、元気に収縮しているように見えても、器としてのしなやかさを失うとそれだけで心不全の状態になってしまいます。
<胸痛の原因検索>
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は… 心臓を養う血管(冠状動脈)の血流低下→心臓の筋肉(心筋)が酸欠になる→胸が痛む(締め付けられる、圧迫される) という仕組みで起こる病気です。普通のエコーで冠状動脈の血流を直接観察することはできませんが、血流の低下した(あるいは途絶えた)冠状動脈が担当する領域の心筋だけが動かなくなるため、エコーで心臓の動きを観察すると歪(いびつ)な動きをしています。
他にも… 心臓や肺の周りに水が溜まっていないか(心嚢水、胸水貯留)、弁にバイ菌の塊が付着していないか(感染性心内膜炎)等々、体の外から探触子(プローブ)を当てるだけで様々な情報を得ることができます。
それにしても… 超音波診断装置の原理を最初に考えた人ってスゴいですよね~。そして、その原理を形にしていった開発者の人たちもスゴいと思います。そういった先人のおかげで、現代の医療が成り立っています。