第88回日本循環器学会学術集会でランチョンセミナー講師を担当しました

新神戸きたむら内科 循環器・漢方クリニックの院長北村順です。

2024年3月8日~10日に神戸で行われた第88回日本循環器学会学術集会に参加しましたので、ご報告します。

私は3月10日に行われたランチョンセミナーの演者を担当させて頂き、『胸痛に役立つ漢方薬の使い方~「2023年JCS/CVIT/JCCガイドライン フォーカスアップデート版 冠攣縮性狭心症と冠微小循環の診断と治療」の理解を深めるために~』というテーマでお話を致しました。

ランチョンセミナーというのは、お昼の時間を有効活用するために昼食をとりながら参加するスタイルのセミナーです(私は演者なので昼食はとりません)。200席の会場はおかげさまで満席になり、講演終了後にはたくさんの方から質問を頂きました。…質問を頂けるということは、話した内容に興味をもってもらえたということですから、演者にとってはご褒美のようなものです!

講演のテーマは『胸痛に役立つ漢方薬の使い方』でしたが、主に難治性冠攣縮性狭心症の患者さんに対してどのように漢方薬を使うと良いかについて提案するお話をしました。昨年の第87回日本循環器学会学術集会で発表された『2023年JCS/CVIT/JCCガイドライン フォーカスアップデート版 冠攣縮性狭心症と冠微小循環障害の診断と治療』において、『冠攣縮性狭心症患者に対し、漢方薬の投与を考慮してもよい』と初めて記載頂きました。しかし、一般の循環器内科医が漢方薬を処方することは容易ではありませんので、循環器専門医兼漢方専門医の立場から処方についての考え方、具体的な漢方処方の仕方について解説させて頂きました。

循環器内科・心臓血管外科の先生方、薬剤師の方々が漢方治療について興味をもって下さることはとても嬉しいことですし、循環器診療において漢方薬は本当に役に立ちます。循環器疾患で困っておられる患者さんにとってより満足度の高い医療がさらに広まるためにも、益々研鑽を積み、漢方治療に関する情報発信を今後も続けていきたいと思います。